最近、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」という言葉を耳にする機会が増えました。
お客様からのご意見や苦情は、サービスをより良くするための大切な声です。
一方で、暴言や脅迫、過度な要求など、社会通念上許容される範囲を超えた言動によって、従業員が精神的・身体的な負担を受けるケースもあります。
こうしたカスハラから従業員を守ることは、会社にとっても大切な課題です。
どこからが「カスハラ」なの?
カスハラは、単に「お客様からクレームを受けた」というだけではありません。
一般的には、
① 職場において行われる、顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者の言動
② 社会通念上、許容される範囲を超えた言動であること
③ その言動によって、労働者の就業環境が害されること
といった要素から判断されます。
例えば、商品の不具合について冷静に改善を求めることは、正当なクレームです。
しかし、同じ内容について何時間も電話を続けたり、繰り返し暴言を浴びせたり、脅迫するような発言をしたりすれば、話は変わってきます。
実際にはこんなケースも
厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、企業が実際に受けたカスハラに類する行為として、次のような事例が紹介されています。
長時間にわたる電話、頻繁な来店と繰り返されるクレーム、大声での恫喝や罵声、話のすり替えや揚げ足取り、執拗な攻め立てなどです。
さらに、「物を壊す」「殺す」といった発言による脅しや、インターネット上で労働者の氏名を公開するといった行為も挙げられています。
こうして具体例を見ると、「もしかしたら、うちの会社でも起こるかもしれない」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大切なのは「一人で対応させない」こと
カスハラが起きたとき、担当した従業員だけに対応を任せてしまうと、大きな負担になってしまいます。
「自分が何とかしなければ」と抱え込んでしまうこともあります。
だからこそ、会社として対応する仕組みをあらかじめ決めておくことが大切です。
例えば、
「一定時間を超える対応は上司に交代する」
「暴言や脅迫があった場合は、一人で対応しない」
「必要に応じて複数人で対応する」
など、会社としてのルールを決めておけば、従業員も安心して対応できます。
2026年10月1日から企業に対策が義務化されます
2026年10月1日から、企業にはカスタマーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が義務付けられます。
そのため、「カスハラが起きてから考える」のではなく、今のうちから自社の対応を考えておくことが大切です。
相談窓口を決める、対応マニュアルを整える、従業員へ研修を行うなど、できることから少しずつ準備しておきましょう。
カスハラ対策は、お客様を大切にしないためのものではありません。
お客様への適切な対応と、働く人を守ること。その両方を大切にするための仕組みです。
「うちの会社では、どこまで対応すればいいの?」
「カスハラが起きたときのルールを決めたい」
そんな場合は、早めに社内で話し合ってみてはいかがでしょうか。
当事務所では、ハラスメント研修や職場のルールづくりなど、働きやすい職場環境づくりをサポートしています。
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